2010年04月04日

黒髪娘「そんなにじろじろ見るものではないぞ」漆(完)

黒髪娘「そんなにじろじろ見るものではないぞ」
      


566 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2010/01/25(月) 21:07:39.57 ID:KmqRKDbT0
――黒髪の四阿、炬燵の間

たったったった、かたりっ

黒髪娘「男殿っ」
男「黒髪」

黒髪娘「男殿だっ」 むぎゅっ
男「っと、とびつくな。ただでさえ十二単の
 重装甲なんだからっ」

黒髪娘「久しぶりだったではないか。もう長月だぞっ」
男「バイトとか調べ物とか、忙しかったからな」

黒髪娘「れぽおとなら此処でやればよいのに」
男「ネットが必要だとそうも行かないんだよ」

黒髪娘「ふぅむ」もそもそ
男「どうした?」

黒髪娘「唐衣※を脱ぐ」
男「どうして?」

黒髪娘「男殿にくっつくのであれば、
 これは厚着に過ぎるからな」

※唐衣(からぎぬ):十二単の一番上にまとう厚手の
 布地で作った着物。一番上にまとうために、豪華だが
 かなりの重量もあったようだ。

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posted by 月夜見(けん) at 23:54| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | SS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

黒髪娘「そんなにじろじろ見るものではないぞ」陸

黒髪娘「そんなにじろじろ見るものではないぞ」
      漆(完)

262 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/24(日) 19:42:29.89 ID:KmqRKDbT0
――黒髪の四阿、夜

男「……三箱、四箱、五箱。っと」

男(こんなもんでいいか?
 ……っても、もう梅の季節じゃないしなぁ。
 何か新しいデザート考えないとな)

黒髪娘「男殿」ぽそり
男「うわぅっ!?」

黒髪娘「……こんな夜更けに」
男「って、起きてたのか。黒髪」

黒髪娘「?」
男「なんだ? どうした?」

黒髪娘「それは何だ?」
男「何でもないぞ?」 さささっ

黒髪娘「……」ひょいっ
男「何でもないってば」

黒髪娘「梅饅頭ではないか。また作ったのか。
 わたしだって食べたいのだからくれれば……。
 ……中納言家あて? こっちは……梨壺あて?」

男「……むぅ」

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posted by 月夜見(けん) at 23:22| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | SS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

黒髪娘「そんなにじろじろ見るものではないぞ」 伍

黒髪娘「そんなにじろじろ見るものではないぞ」
      漆(完)

777 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/23(土) 01:08:39.92 ID:KmqRKDbT0
――翌日、祖父の実家

さーーーー

黒髪娘「雨だなぁ、男殿」
男「そうだな」

黒髪娘「春の初めの雨だ」
男「そのへんちょっと感覚ずれてるよな。
 まだまだ寒いじゃないか」

黒髪娘「温かくならなくても、年さえ明ければ春だ。
 同じ寒くても、これから小さく堅くなっていく年末の寒さと
 どこかにほころびを感じさせる、年明けの寒さは違う」

男「そっか? でもまぁ、そうかもな。
 雪じゃなくて、雨だしな」

黒髪娘「これでは今日は外には出られぬな」
男「行けない訳じゃないけれど、
 家にいるのが良さそうだ」

黒髪娘「男殿は何をしているのだ?」

男「調べ物と、レポート」
黒髪娘「そうか。……私もここで本を読んでいて良いか?」

男「もちろん」

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posted by 月夜見(けん) at 23:05| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | SS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月01日

黒髪娘「そんなにじろじろ見るものではないぞ」 肆

黒髪娘「そんなにじろじろ見るものではないぞ」
      漆(完)

508 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/21(木) 21:38:10.55 ID:KmqRKDbT0
――夕方、男の住む街

黒髪娘「……」おどおど
男「そんなにおっかなびっくりじゃなくても」

黒髪娘「ばれたりはせぬか?」(小声)
男「大丈夫だって。同じ人間じゃない」

黒髪娘「そうでもあろうが、こ、このような髪の
 持ち主は居ないではないか。みんな、短いし……」

男「いーの。黒髪は、その髪が綺麗なのっ」
黒髪娘「そう言ってくれるのは嬉しいが」びくっ

男「?」

黒髪娘「いますれ違った婦人、
 こちらを見て笑っていなかったか?
 くすくす笑っていなかったかっ!?」

男「お前、本当に引きこもりなのな」

黒髪娘「出歩く時に牛車がないなんてっ。
 こうやって周囲に壁がない広い空間に出ると
 落ち着かないんだっ。うううっ」

男「ハムスターみたいなやつだなぁ」

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黒髪娘「そんなにじろじろ見るものではないぞ」 参

黒髪娘「そんなにじろじろ見るものではないぞ」
      漆(完)


304 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/21(木) 01:47:24.40 ID:KmqRKDbT0

――夜の都大路
ギィ、ギィ……
友女房「すみません。本当に色々お世話になって」
男「いや。今回のことは、俺も言い出しっぺだし」
友女房「それにしても、こんなに助けて頂けるとは」
男「乗りかかった船って云うか」
友女房「あの小豆はどうすればよろしいですか?」
男「朝にもう一回、右大臣家いくよ。
 いや、昼前が良いかな。あとは煮るんだけど、コツがあるし」
友女房「さようでございますか……」
男「自信なさそうな」
友女房「それは……まぁ。
 もちろん、この友。
 姫付きの女房としてどこへ出しても恥ずかしくない
 身だしなみを整えさせて頂きます。
 今回は男様から香油等も頂いておりますし……。
 ただ、やはり歌会ともなりますと、
 多くの方がお見えになられます。
 出席するのは10名だったとしても、
 そのお付きの数たるや数倍にもあがるでしょう。
 姫にはぶしつけな視線も突き刺さるでしょうし、
 なにか事があればその噂は宮中を駆け回ること必至」

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posted by 月夜見(けん) at 12:19| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | SS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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