2004年09月04日

話を聞かない男、地図が読めない女のレビュー


話を聞かない男、地図が読めない女―男脳・女脳が「謎」を解く[文庫版]
アラン ピーズ, バーバラ ピーズ, Allan Pease, Barbara Pease, 藤井 留美

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話を聞かない男、地図が読めない女―男脳・女脳が「謎」を解く
アラン ピーズ, バーバラ ピーズ, Allan Pease, Barbara Pease, 藤井 留美

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最近は新刊のレビューを書いているんだけど、これだと私が漫画やSF小説しか読んでいないみたいに取られてしまう。とんでもない誤解です。
かなり広く乱読するほうで、経済系・学問系・データブックなどなど様々読んでます。
すでに読み終わってるもので、オススメ度の高いものから紹介していきたいと思います。
文庫版をTOPに持ってきている理由は3つ。
1つ、私が実際に買ったのが文庫版であること。
2つ、文庫版は最新データを盛り込んだ改訂増補版であること。
3つ、安いし場所を取らない事(笑)
これでも、私は自称"脳学研究者”です。と言ったら本職の先生方に怒られてしまいますけど^^;
少なくとも人並み以上に、脳について興味・関心があり、文献や書籍などを集めているのは事実です。
人類の科学技術が発達し、秘境や謎の類は探知尽くされたみたいな表現を用いられやすい現代において
人間の"脳”というやつは文字通り最後のブラックボックスとも言うべき謎を多く秘めた非常に研究余地の残された
夢のある研究対象であると私は考えています。
一般人が(もちろん私もですが)、果たしてどれくらい自分の体のことについて知って日常を送っているかということになります。
無論意識をしなくても、神が創りし精密な物体である人体は大きな疾患にかからない限り、ほとんどの場合は自身の意思の元に動いてくれます。
そして、大きな病気などに罹ったときに初めて「健康」という名の肩書きの元に自身の構造についての理解を深めると思います。
なんか妙に重々しいというか大仰なことを述べていますが、普段から少しでも意識して自らを構成しているものについての理解を深めるという行為は非常に面白いということです。
"脳学者”の悪い癖というか、どうしても全ての行動の規範や原理の元となるのは脳であるという意識があるため
脳について知る=人体について知るという風に捕らえがちです。
現実は脳以外にも様々な器官や神経系、筋肉などなどが複雑に相互に絡み合って構成されているのが人体になるわけですけど。
閑話休題。
今回取り上げている書籍は、いわゆる「男脳」と「女脳」についての見解を身近な例を取り上げて説明している良書です。もっと専門的な内容で、より精密により緻密により厳密に性別による脳の機能を解釈している著書は山ほどあると思いますが、これを良書たらしめているのはその親密さや平易さにあるのではないでしょうか。
私の持論でもあるのですが、専門的な難しい話を人に説明するにあたって、相手にわかるように平易な表現や身近な例えを持ち出すことのできる人は本当の意味でその事に「精通」していると思われます。
世の中には腐るほど『専門家』がいますが、その中で果たして何人が自分の専門性を大多数の他人に対してわかりやすく説明することができるでしょうか?難しい事を難しい言葉を使って説明することは多分専門家は誰にでもできると思います。しかし、難しいことを例えば5歳の子供にもわかるように説明することは極限られた人しかできないと思います。私はこれができるかできないかで、その人の専門家としての力量を測る指標の一つにしています。
そして、この作者はそれを成し遂げていると私は思います。
一言で性差の脳の働きについて述べよと言っても、この分野はそれ一つだけで一生を費やすのに値するくらいの深淵な研究です。専門性も高く、難解極まりないと言っても過言ではありません。
その内容をここまでわかりやすくしたというのは本当に素晴らしい「能力」だなと思います。
難しい脳学の本―――と捉えなくても読み物として読んでも十分に面白く、クスリと笑える部分が多々あります。
それでいて既知の研究結果やデータをさりげなく盛り込んでいて、学術的裏付けもできている。
なかなかできないことです。
私がこの本を老若男女問わず読んでほしいと思う理由は、正しい意味での性差を理解してもらいたいということにあります。
こういうことを言うと、女性権利主張派辺りが目の色を変えて喜んで議論をふっかけてきそうではありますが、そうではありません。
現実に性差、ジェンダーは確実に存在しています。
わかりやすいのは外見上の特徴。性器の形も違うし、体を構成している成分の比率も違います。
わかりづらいですが、脳も男女では絶対に違います。
それぞれの性を司るホルモンの被爆量によって形態や機能が異なるのです。
より専門的に言うと、人間の人体は女性の体を基本としていて、極めて幼少の時期(胎生期といえばいいでしょうか)に、脳から出る男性ホルモンの働きによって体の作りが変化していきます。
そもそも『異』性という言葉がその違いを物語っていると私は思うのです。
男女における興味・関心の示すものの違い(一般的・学問的なもので後天的な個人の好み・主観は除きます)もそうですし、少なからず日常において「男は〜だから(のくせに、であらねばならない、らしくないetc・・・)」とか「女は〜だから(のくせに、であらねばならない、らしくないetc・・・)」といった言動を我々は採っているのです。
こうした本を通じて、学問的裏付けを押さえることにより、より異性への理解も深まりますし、相手の行動に対して寛容になれると思うのです。
感情を抜きにして、理屈・理論としてこうした事を学び、日々の生活の中で生かし活用することは(あえてこういう表現を使ってみました。)双方にとって極めて有用なことであるとは言えないでしょうか?
私は異性に対しての考え方は完全に歪んでいるので(苦笑)この本を読んで随分とラクになったというか助けられた部分があります。
学問的に性差を知っていることと、日常の事例を通じて知っていることはどちらがより有用かは言うまでもありません。
主に、恋人がいる人・カップル・夫婦関係にある人に読んで頂きたいなと思います。
もちろん、これから伴侶を見つける人も「良い男・女〜」系の本よりは異性への理解を深める意味で参考になると思います。
posted by 月夜見(けん) at 20:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評(脳系) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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