2007年03月14日

プリンセスはお年頃!3(完結)のレビュー





プリンセスはお年頃!(3)

プリンセスはお年頃!(3)
背表紙などカバーデザインが変わってシリーズ完結。
早くも来月に新シリーズフェイク・フェイクが出るとの事。
本当によく作品を出す人だ…
TVアニメ化が決まり、ネット書店限定での神曲奏界ポリフォニカ クリムゾン シリーズ4巻 限定BOXセット【特典・オリジナルストラップ付き】も発売されるし…絶好調ですね。

作品は言うまでもなく、棄てプリのプロトタイプです。
若干展開が予想の斜め上行きましたけど、特筆するほど凄いサプライズがあったわけでもなかったですね。
本当に可も無く不可も無く。榊シリーズにしては平均点な出来。(☆2〜3かな。2つ半くらいかも)
短期シリーズという事や、プロトタイプだったという事もあるでしょうが。

気になった言葉・表現などを抜き出しで。

(バルテリク・マヤカ)だが将来的にナナが立つ地位は、たった一つの判断で他人の人生すら変えかねないものだ。自分一人の面倒も見られない者が立って良い場所ではない。まして自分一人の人生に責任を持ちきれない者が、立って良い場所では絶対にない。


(エキノ)「指導者や統治者ってのは『認めて貰う』もんだ。それを強制的に『認めさせる』力なんぞ振るえば、どうなるか――馬鹿でも分かるだろうに」
誰かに認めて欲しい。
誰かに愛して欲しい。
ならば己を改め、自ら歩み寄り、認め愛される為の努力が必要だ。認める事も愛する事もその権限は相手の側に在る。だから常に自分を省みて認められる様、愛される様、自分を高めて行かねばならない。
しかし……もしその必要が無いとしたら。
『能力』によって直接的に畏敬や愛情を得られるとするならば。相手にそれを捧げる事を強制する事が出きるのならば。
己の身を省みる必要が無くなる。
そしてそれは――当然の如く独裁と暴虐に繋がる。


(コリン)「貴女が好きだからという事には、貴女の体現している気持ちや理想に共鳴しているからだという事もあるのですよ」
「人間一人は所詮、人間一人分の価値しかない。ならばどうして人は他人を身を挺して庇うと思いますか?」
「それは他人の中に自分が奉じる理想を見るからです」
「それは友達を大事にする様な簡単な事でもいい。もっと高邁な、人間というものの在り方に関する理想でもいい。自らの命を賭して何事かを成そうという者は、自分が選び、自分が信じた理想に殉じようとするのですよ。それこそが――唯一の、自分にとっての、命よりも価値あるものだと信じて」
「私もエキノも――恐らくはソリウでさえも、奉じる信念が在ります。そしてその信念に従った結果として貴女を護ろうとしているのです。そこで貴女が自ら生きる責任を放棄してしまうのは……我々の理想への侮辱でもあります」
「そう、我らの勝手です。貴女に理想を見たのは」
「けれど貴女は王族です。王族である以上、自らの身を以て、時には人々の理想を体現する事と引き替えに、人々に『死ね』と命じる責務が在ります。そして他者に死を命じる事と同様に、自らは何があっても、自分に信託された理想を裏切ってはなりません。たとえ死ぬ程辛くても、死んではなりません。人の上に立つとは……そういうものですよ」


(カーナミン)そもそも人間の身体は高い適応力を――素体としての高い汎用性を持っている。
例えば、それぞれの職業の専門家を見れば分かるが、意識して自らを鍛え、特定用途に専門化させた場合、人間は、素体状態から見れば、まるで別の生き物であるかの如く、高い能力を発揮する。
例えば剣術に精通した武士。
例えば算術に精通した賢者。
例えば芸術に精通した画家。
彼等の持つ――究めた技能は、それを持たない者からすれば奇跡にも等しい。
そしてその技能の多くは、脳と神経の『最適化』に依るのだという。
「原始宗教の多くが、過酷すぎる程の修練を行者に課したりするのも、この為だな」
本来眠っている脳の領域――能力の可能性を含めたその領域を、刺激するには、ある種の快楽が効果的なのだという。
例えば……
肉体をいじめていじめていじめ抜いた末に、ふっと苦痛が消える瞬間がある。
むしろ法悦を感じる程の状態になる事が在る。
いや――そこまで非日常的な例をとるまでもなく、人間は怪我をすれば、痛みを感じるが、その痛みはずっと同じ状態で継続はしない。痛みとはそれを感じた瞬間が最も強く、それは次第に鈍くなって、いつかは消えてゆく。
これは何故か。
これは人間の脳が痛みや苦しみを緩和するための麻薬物質を自ら供給し、苦痛を和らげてくれるからなのだという。
一切の副作用の無い自家精製の麻薬。
これが眠っている脳の神経を刺激し、新しい神経回路を創り出すのに役立つという。
「他にも原始宗教において、薬物で感覚を鋭敏にして瞑想する、などという方法もしばしば見られるが――これと考え方としては同じものだ。脳内の麻薬に頼るか、外部からの刺激物に頼るかだけの差だね」
「更にある種の宗教では、『悟り』を得る為に異性との性交を道具に使う事も知られている。さすがにこれは衛生管理その他の面から、主流には成り得なかったがね」
不特定多数の性的交渉は、確かに性病その他の蔓延を助長する。
多くの国家において道徳的に多淫を戒めるのはこの為だ。
「宗教における『修行』がもたらす『法悦』は、本来、使われていなかった脳の部位を活性化させる起爆剤となる。多くの場合にそれは薬物投与や、脳内麻薬の分泌によって賄われるが、<快楽天使>は自らの肉体を使い、その体液を使い、対象者に尋常ならざる快楽を与え、強制的に『悟り』に至らせ、超人化させる――という訳だ」


(ナナ)「弱い犬ほどよく吼える。弱い奴ほど武器を持ちたがる。バカほど、自分を頭がいいように見せたがる。前にうちの父さんが言ってたわ――本当、その通りだよね」
「優しさとか、気高さとか、賢さとか……そういうもので人は、本当は人の上に立つんだよね。そういうものがあるから、立つ事を許して貰えるんだよね」
「それは貴族や王族でも、宗教組織の上に立つ人でも同じ」
「立っているんじゃない。立たせて貰ってるのよ」
「それも分からないまま、無理矢理立とうとしているから、どうしても卑怯な方法や、無茶な方法が必要になるのよ。別にサキュバスの力なんて無くたって、教皇に相応しい徳を備えた人は、自然とその立場に立つわ」
posted by 月夜見(けん) at 16:04| ☁| Comment(0) | TrackBack(1) | 書評(ファンタジー系小説) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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プリンセスはお年頃!3
Excerpt: プリンセスはお年頃!3 著者 榊一郎 イラスト 深山和香 レーベル HJ文庫  少し意外だった。  人気blogランキングへ ← よろしくお願いします。  クリックあり..
Weblog: ライトノベルっていいね
Tracked: 2007-03-26 19:21
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