2012年06月23日

ビブリア古書堂の事件手帳3〜栞子さんと消えない絆〜のレビュー



田舎なので22日に手に入れました。東京の早いところだと20日とかに売っていたとか
300万部突破おめでとうございます。今読書記録をしている「読書メーター」(当ブログの一番右上にもパーツ張ってますが)でも1巻2巻それぞれ1万以上の読了登録されていますからね
1巻は初版を手に入れるまでは読まないつもりだけど(ヤフオクでは帯付で16000円だか18000円だかの古書価ついてスレ立っていたようです)内容知らないときついなぁ。他の人のレビューを見ても1巻は結構しっかりしたミステリーっぽいみたいで、重要な事件が起きているみたいですし

読書メーターの方にも短文レビューを書いたのですが、全然収まらなかったですし、最近レビュー記事更新が滞っていたのでこちらにも書くことにしました。読書メーターと重複する部分もありますがご了承ください
言うまでもありませんがレビューですのでネタバレ含みますので未読の方は引き返してくださいね

ということでかなり長い前ふりになりましたがレビューを

読めないのに本の話を聞きたい俺と、本の話をする時だけ饒舌な栞子さんとの関係は、たぶんうまくいっている。しかし、本だけで繋がっている関係というのは、どこかおかしな気がする。ずっと今のままでいいとは思えない。

先に一般的というか主観的な考えの方を。私個人は本だけで繋がっている関係は“あり”です。全然おかしくなんてない
作者(作家)と読者の関係だってある意味では一方通行かもしれないけど、本だけで繋がっている関係である
どれだけ沢山の本を作者(作家)が出そうとも、それを読みたいと思う読者がいなければ成立しない関係なのだ
この辺の受け手がコミュニケーションの肝を握っているという話は海馬/脳は疲れない ほぼ日ブックスのレビューで書く…予定

そして主に読書記録をつける目的で始めた読書メーター
ここも原則本だけで繋がっている関係と言えると思う。多分“読書系SNS”とでも称するのであろう
中にはオフでも交流がある人がいるみたいだけど、大多数は恐らくはオンラインだけの実名も知らないし直接会ったこともない人達との本を通じてのやり取りであろう(リアル友人登録は除く)
それでも比較的あそこはとても良い雰囲気で関係が維持されているように私は思える
他の人の読書体験を通じて新たな本と出逢うというのは、極めて閉鎖的なコミュニティで行われるか、または新聞・雑誌などのメディアを通じてのレビューという形での片側限定のオススメ本でしかなかったはずなのに
そういう意味では画期的な双方向性があるコミュニティができたと思う

私は比較的天邪鬼なので、いわゆる「ベストセラー本」は基本的に範疇外の姿勢が多い。今のところそれで手に取るのが遅くて“失敗”したのは金持ち父さん貧乏父さんビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常 (メディアワークス文庫)くらいだろうか
自分で他人があまり読んでいなさそうで、でも面白い本を開拓するのが好き―――と思い込んでいる(笑)
実際は面白い本は自分が知らないだけで結構他人にも読まれているものだが
でも人数が限定されているとは言え、最大級の読書系SNSの読書メーターでも自分しか登録していない本とかあるとやはりニヤリとはしてしまうわけで

結論を言えば、最初に述べた通り本だけの関係はありです

もちろんここで五浦さんが言っている内容は早い話異性関係としてもっと親しくなりたいという意味なのは重々承知しているが。それでも読んでてちょっと違和感を覚える場所だったのでレビューでとりあげました

「この人が犯人だったら、被害が一冊で済むはずがない。めぼしい本を根こそぎ持っていったはずだ!」
(中略)
「……なるほど」
それなりに納得できる答えだったらしい。その方が意外だった。
(中略)
「だから……『栞子さんならめぼしい本を根こそぎ持っていく』って……」
「ああ、そのこと」(略)「気にしないで下さい。本当のことですから」


大笑い。てかどういう信頼?のされ方なんだと。しかも本人公認とかもうねw
…マニアとして、商売人としては正しいのかもしれないけど私が栞子さんを「好き」には慣れない部分はこういう所にあったり
黒髪ロングで巨乳で本好きで…と一見男が好みそうなキャラになっているように思えるけど、腹黒とまではいかないにせよがめついのか強欲なのか、とにかくこういう部分が悪目立ちする。他に主だった欠点らしきものがないから余計に際立つのかな
好意はあるし、友人としては良いのかもしれないけど「恋人や伴侶」にはしたくないタイプですね
昔ならこうした“属性”だけですぐに「好き」になったものですが
まぁそういうのも全てひっくるめて「篠川栞子」という人物なんでしょうけどね
無自覚・天然の部分が良くない方向にも出ているのかなと

「すみません……ちょっと、難しいです」
か細い声で残念そうにつぶやく。(略)この手がかりで分かる方がどうかしている。


すっかり“ネット依存”になっている自分は最近は何でも「検索」をしてしまいます。ほぼ大抵の“疑問”は検索すれば解決するのではないでしょうか。技術革新恐るべしかと思います
書いてて冗長になったので先に結論を書きます
「極めている人間は検索(機械)を超える」
突き抜けている人間の脳はまだまだコンピューターよりも優れているなと。人間凄い。栞子さんの本に関連する事に対しての“正解”を導く脳力は「検索」よりも超えていると思います
だからなんだと言われると困るのですが(汗 いや人間もまだまだ凄いもんだなと単純な感想と言うか…
友人に“鉄男”さんがいるんですが検索よりも早く路線や時間、料金をはじき出すのを何度か見てて凄いなと思ったのがこの部分を取り上げたきっかけです

(以下読みたい人だけどうぞ。読みたくない人は次の引用部までスクロールダウン。完全駄文です)
ファンタジーなどでは色々な呼ばれ方をしますが、ヴァルキリープロファイルから借用すれば「賢者の石」をそれぞれ個人が所有しているというところでしょうか(ネットの検索)作品内では百万ページの百科事典と称されていましたが、要するに引けば知りたい事が載っている事典という解釈で良いでしょう。ただ引きたい(調べたい)内容やその内容の理解には使用者の知力などに左右されるという。実際のネット検索はもちろん全ての解答が載っているわけではない。検索のテクニックを駆使してもネットに載っていない・公開されていない内容は知り得ないし。ヒントを断片的に集めて推測することはできるかもしれませんが
…自分で書いてて何言いたいんだが(汗 一応残しておきます、この駄文

他のものならとにかく、一度読んだ本の作者や題名を忘れることって、あまりないんですけど

忘れまくりです(滝汗 今古本屋行って記憶のサルベージして読書メーターに登録作業してますし。てか読んだ内容すら忘れている。比較的最近(ここ10年ほど)に読んだ漫画の内容でさえこれなの、にましてちゃんとした本の内容なら尚更抜けているし、小中学校とかもうほぼ全滅。『ズッコケ3人組』とか『十五少年漂流記』、あとは『ヘレンケラー』など偉人の伝記物は結構読んでいたとは思うけど…
高校時代もそこそこ図書館利用していた方ですが(図書委員やっていた上級生に名前を覚えられるくらいには)なんとなくシドニーシェルダンとか借りて読んだような記憶はあるのですが、何の作品だったとかは全然…初期というか時代的に刊行数はさほど多くはないと思うんだけど。あんまり書くと年ばれるので止めますが。まして日本語訳されたのだし
英語教材のドリッピーをきっかけにして読み始めたと思うのですが、割とポルノ表現も多くて結構えっちかったとは記憶しています。無論栞子さんのように暗唱とかできません。
テーブルトークのガープスの「完全記憶:書籍関連限定」の能力保持者ですね、彼女は
(※一応補足。完全記憶は一度見聞した内容を忘れない能力で現実にも存在します。一種の脳機能障害とも言えますが。多分これだけで専門書何冊も出ているかと思います)

「あいつが本の話をすると、お前は喜んで聞くだろう。口下手な奴にはそういうのは嬉しい。お前ともっと話したい、もっと親しくなりたいって気持ちが強くなって…」

好きな人の言動には注意を払うのは当然の事ですし、人間誰しも自分の得意分野について話すときは饒舌にもなる
そして自分の話を熱心に聞いてくれる人には好感を持つのは普通の事かと
上述した通り、コミュニケーションは受け手が鍵を握っている
ただ、自戒を込めて特に男性は“勘違い”には注意。「分かっていて」やっている異性も多いと思いますので。天然さんは“勘違い”量産しやすいし…

(略)ひどい誤植も多いですし」(略)
なにしろ扉のページの一行目から「心象スツケチ」だ。作者も脱力したんじゃないだろうか。


今なら某掲示板でスレが立つレベルかと(苦笑)校正マジで仕事しろよと。出版社絡んでこれはなくね?
校正・編集に関してはネット小説で橙乃ままれさんが有志にグーグルドキュメントあたりで誤字とかを訂正してもらうとか一部では新しい試みをされているようですし、多分私の知らない様々な取り組みを色々な作者さん達がされているんだろう
日本での電子書籍の流れを見てもそうだけど、この辺は本当に改革して新しいスキーム作ってほしいなぁ

原則は作者(作家)にお金が入る―読者はそれを利便性のある媒体で読める
出版社等はその仲立ちをしているだけで、既得権益で規格乱立とかもうね…
CDだってiTuneを始めとするネット配信で事実上廃れてしまっているわけだし。少なくとも昔のようには売れはしない(国内の某グループのは“商売”ですよね。「CD(音楽)」が欲しくて買っている訳ではない)
本の場合には紙ベースでの需要もメリットもあるのでそうした意味では無くせとも減らせとも言うつもりはサラサラないけど(やはり本好きなので“本そのもの”にも愛着ありますし)、一方で電子書籍は狭い日本の住宅事情における保管のスペースの問題や、災害などにおける情報の保全性、内容の情報の検索など良い点があるので、ある程度は規格を統一してユーザーの利便性を考慮して欲しい

AmazonのKindleが売れているのは冊数や値段もあると思うけど、同じ規格でマルチ端末で読めるってのが一番の売りじゃないだろうか。アプリなら1つのアプリで百万冊は読めるとか。この辺はアメリカとか外圧かからないとダメなんでしょうね…
出版社を始めとする既存の書籍販売・流通に関する全ての企業や仕組みを否定するつもりはないけど、一方で時代や技術革新によって新しく生まれているものにはそれ相応の選択肢を創造して欲しい
申し訳ないけどまだ未熟だなというのが正直な感想<日本の電子書籍市場

「というよりは読書は嫌いなの。」(中略)「どこを見ても背表紙がずらっと並んでいる光景なんでぞっとするわ。本屋とか図書館とかも、好きじゃないのよね」(略)
栞子さんは軽く首をかしげて、真剣に考え込んでいるようだった。「本が嫌い」という状態が想像できないのだと思う。


ある意味で今回の話の中で一番衝撃を受けて印象深い部分だったかも。読書好きでない人にとってはそういう印象というか感情を持つものなんだなぁと逆に感心してしまった。これは栞子さんに完全同意。水と油並に理解できない。てか異物
自身は読書好きを自覚しているし、多分読んでいる方にも入ると思う。本屋も図書館も大好きで、飲食をどうかできれば多分一日いられると思う。物理的には不可能?なんだけど360度背表紙だらけとか凄い胸熱なんだけどなぁ。梯子で部屋に入る?上から降りてくるか下から登るか。少なくともコの字型で壁一面にびっしり本棚、中央部に机と椅子とか理想の読書部屋。…まぁ間違いなく読書しない人・本が嫌いな人とは結婚はできないな。仮に好きになった後に判明したらそれ以上は好きにも親しくもなれないと思う。自分にとって読書や本は水や空気のような存在。無くては生きていけない物だからなぁ

……アウトレットモールみたいな施設ってできないかなってふと思ったよ
例えば日本十進分類法やジャンルでエリアを分けて、その店にはその分類・ジャンルの本しかない
必ず店の近くにはフードコートや喫茶店を作って飲食休憩が簡単にできる
エリアとか場所を限れば温泉施設なんかもあって入浴もできる(まぁ湿気対策が大変か)
本の保管などを考えれば避暑地的エリアに造設?比較的涼しいところで湿度も低め。北向きとかあまり日の当らない事が望ましい
百万種類の蔵書とかあれば人たくさん来ないかな
欠点は経営的に収益が厳しいこと。少なくとも本の販売だけでは恐らく成り立たない。飲食を始めとする別の高収益源が必要か
ブックカバーとか本に関する商品も並べる?文房具も?かなりの広範囲に多数の蔵書があれば泊りがけで来る人もいるか?
宿泊施設も作ってやっぱり温泉?
妄想するのにしてもかなり楽しいので自分で別途煮詰めてみよう

閑話休題

そしてまさかの妹ラスボス展開(笑)そりゃいくら探しても本は出てこないし、情報は筒抜けですよね
「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」理論で井上に嫌われる栞子さん。どんだけ母親に恐怖埋め込まれているんだか
井上の気持ちは十全に理解できるけど

個人的にどうでも良い(マテ)恋愛関係?は少しは進展しているんですかね
嫌いな人とは仕事関係でもあまり飲食共にしないでしょうし。天邪鬼的思考で「結婚なんて絶対にしない」(だっけ?)と言った栞子さんが果たしてどうなるのか“とても”楽しみです。是非初志貫徹でフラグへし折って独り身を貫いて欲しいと思います

あと五浦さんの体質って治らないのかな。なんか心理的な要因が影響しているのか。
本嫌いの心理もそうですが、読書できない体質?って凄く興味あり。

あとこの本は「棚に差して」おきます^−^

古本屋さんの交換会とか見てみたいなー自分の読んでいるジャンルのせいもあるんでしょうけど、どうも一般的な古本屋さんって雑然としすぎているところが多くてあまり印象が…きちんとしている所は多分本当の「古書」を扱っていて全部パラフィン紙とかで保管しているんでしょうけど。かなり乱雑で積み上がっていたり、整理されていなかったり、在庫きちんと把握しているのかな?って心配になるところが…

作品を読んでいるとビブリア古書堂は凄くきちんとしていそうなイメージ。
その分ぼったくられるというか「適正価格」で販売されているんでしょうけど。手間暇との天秤も関係しているのかな、値付け。買っている本が本だけど、掘り出し物はやはり大型チェーン店がある気がする。「この本がこの値段で!」という物がチラホラと
…うん、多分自分客層と違う。欲しがっている本の内容も
でも雰囲気とか古い本の匂いとかは好きで、結構ふらっと入りはするんですけどね。ほぼ買わないですが(苦笑)

次回は冬の出版予定だそうです。タイミング合うといいんだけど。最悪ネットで注文して実家で受取かな。世界一周旅行中は本の事は少し浦島太郎にならざるを得ないだろうし…
筆者真面目な人ですねーあとがきでなんか謝罪してましたけど、あのくらい普通の事かと
復刻とか環境?とかいくらでも変わるでしょ。そんなんで「違います!」とか難癖付ける人もいるのかなぁ
本人も予想外?の大ヒットで面白い本を書かなきゃというプレッシャー?はかかっているでしょうけど(2冊で三百万部以上はかなり凄いよな)頑張って執筆して頂ければと思います。あと電子書籍版って出てないのかな?一部の作品意図的に電子書籍化していないみたいだし。本で購入でも良いのですけどね。

自分用メモ
参考文献一覧
王さまのみみはロバのみみ (世界名作ファンタジー)

いとこ同盟

オリンポスは笑う

神奈川古書組合三十五年史

神田神保町とヘイ・オン・ワイ―古書とまちづくりの比較社会学

古本術―売るための買いかた

街の古本屋入門―売るとき、買うとき、開業するときの必読書

絶版文庫発掘ノート―失われた名作を求めて

たんぽぽ娘―海外ロマンチックSF傑作選2 (1980年) (集英社文庫 コバルトシリーズ)

年刊SF傑作選 2 (創元推理文庫)

奇妙なはなし (文春文庫―アンソロジー人間の情景)

チェブラーシュカとなかまたち(※該当する絵のサイトがここだったのでリンク貼りました。不都合あれば削除します)

新訳 チェブラーシュカ―ワニのゲーナとおともだち

チェブラーシカ (ユーラシア・ブックレット)

劇場版チェブラーシカ 初回限定ぬいぐるみ付特別版 [DVD](多分だと思う)

『春と修羅』(※該当する絵のサイトがここだったのでリンク貼りました。不都合あれば削除します)

新校本 宮澤賢治全集〈第2巻〉詩1

宮沢賢治全集〈1〉 (ちくま文庫)

宮沢賢治詩集 (岩波文庫)

宮沢賢治研究資料集成 (第10巻)

宮沢賢治の肖像 (1974年)

宮沢賢治の世界展生誕百年記念展図録

新書で入門 宮沢賢治のちから (新潮新書)

作家の値段

posted by 月夜見(けん) at 18:07| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評(小説) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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